ユロポン!
!!! なに急に。
びっくりして昼飲んだフラペチーノ逆流しそうになったわ。
言ってみたかっただけ
・・・・・・。
思わず口にしたくなる愛称を持つ通貨ペア「ユーロ/イギリス・ポンド(EUR/GBP)」。
その愛称の親しみやすさに比べ、日本のFX界ではあまりメジャーな存在ではありません。
しかし、このユロポン、特に自動売買との組み合わせで大いに力を発揮するのです。
まさに、「よく知らない通貨ペア」として触れずにいるのは損をするレベル。
そこで今回は、私も行っているFX運用の「おすすめ通貨ペア」紹介の第一弾として、このユロポンを取り上げます。
通貨ペアの特徴やデータのほか、具体的な売買方法まで書いていきます。
参考にしてもらえればうれしいです。
また、「これまでFXは裁量取引しかやったことがない」という方には、FX自動売買がどういうものか、考え方も含め、わかる記事にもなっています。
FXの自動売買はとても効率のいい資産運用法ですので、この記事が興味を持つきっかけになってくれればと思います。
では記事に進みます。
ユロポン(ユーロ/英ポンド)の特徴 ―基礎データから将来予想まで―
ユロポンの基礎データ
まず、ユロポンの概要です。
ユーロとイギリス・ポンドの基礎的なデータを見てみるところからはじめます。
対比がしやすいように、日本円のデータも並べました。
ユーロ | イギリス・ポンド | 日本円 | |
主な使用国 | ユーロ圏 (ドイツ、フランス、オランダなど欧州19カ国) |
イギリス | 日本 |
面積(km2) | 2,753,828 | 244,820 | 377,976 |
人口(万人) | 34,241 | 6,789 | 12,541 |
GDP(PPP)(十億ドル)※1 | 12,712 | 2,979 | 3,905 |
流通高(全通貨中)※2 | 2位 | 4位 | 3位 |
外貨準備高(十億ドル)※3 | 2,522 (全通貨中2位) |
557 (同4位) |
716 (同3位) |
※1 国際通貨基金, World Economic Outlook Database 2020、※2 国際決済銀行, Foreign exchange turnover in April 2019 、※3 国際通貨基金, World Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves 2020Q4
なお、イギリス・ポンドはかつて、現在のアメリカ・ドルのように、世界の貿易で使われる基軸通貨でした。
第二次世界大戦後のアメリカ(ドル)の台頭、1990年代のEU発足とユーロ導入により、英ポンドの相対的な重要性は低下し、現在に至ります。
とはいえ、それでも流通高や外貨準備高でいずれも4位をキープしています。
また、ユーロとの通貨ペアで見ると、流通量は9番目です。
世界的にはそれなりに存在感のある通貨ペアと言えます。
2016年6月、ユロポンに起きた大きな変化
この2つの通貨、地理的にも近く、緊密な関係が想像されますが、2016年6月にこの関係を大きく変える出来事が起きました。
国民投票によるイギリスのEU離脱の決定です。
この決定、いわゆるブレグジット(Brexit)により、ユロポンのチャート上にも明確な変化が現れるようになります。
以降の説明でも、このブレグジット決定を経た2016年7月以降をひとつの区切りとして捉え、説明を行っていきます。
詳しい内容は、通貨の特徴も絡めて、以降のセクションで説明していきます。
FX的観点から見るユロポンの特徴
次は、このユロポンの特徴をFX的な観点から見ていきましょう。
ユロポンの特徴は、大きく以下の2点があげられます。
ユロポンの特徴①:値動きが大きい
ブレグジット決定以降のユロポンの一日の最大の値動き(True Range)の中央値は63pipsでした。
「63pips」というと、一般的にはそれほど大きな変動幅とは言えません。
しかし、この通貨ペアが他とは違うのは「通貨の重さ」です。
2021年5月現在、ユロポンの損益計算時に使われるイギリス・ポンドは150円前後です。
109円前後を行ったり来たりしているドル円と比べると、同じ1pipsでも37%損益に与える影響が大きくなる計算です。
ちなみに109円のドル円で換算すると、ユロポンの63pipsはドル円の86pipsに相当します。
同じ期間の「ドル円」の一日の最大の値動きの中央値は70pipsほどですから、ユロポンの値動きのほうが大きいと言えます。
「平均値」ではなく「中央値」を使う理由
値動きの大きさを測るとき、一般的には「一日の最大の値動きの平均(ATR=Average True Range)」が使われます。
しかし、私はあえて、すべてのデータを並べたときに真ん中に来る「中央値(Median)」を使っています。
みなさんは日本人の貯蓄額の平均データなどを見て、「こんなに持ってないよ!」と思ったことはないでしょうか?
この「平均」は、一部の飛び抜けたお金持ちの資産に引っ張られ、釣り上げられたものです。
そのため、「平均貯蓄額」は多くの人の実感よりも高い数値となってしまっています。
相場にも同様のことが言えます。
値動きを「平均」で捉えてしまうと、コロナショックの時のように、極端な動きをした例外的なデータの影響を受けることになります。
しかし、だいたいの相場は、何事もない日常です。
何事もない日常でも機能する数値を得るため、私は中央値を採用しています。
ちなみに、日本の二人以上世帯の貯蓄額のデータは以下のとおりです。
平均値=1,755万円、中央値=1,033万円
2019年 家計調査報告 https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html
実感と比べ、いかがでしょうか?
ユロポンの特徴②:値動きのレンジが狭い
2016年7月からのユロポンのチャートは、おおよそ0.83から0.94のあいだの1100pipsに収まります。
この長期的な値動きのレンジは、通貨の重さこそ異なりますが、同じく値動きが狭いことで有名な「オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドル(AUD/NZD)」に匹敵します。
通称「オージーキウイ」のこの通貨ペアは長期的に1.01から1.13の1200pipsのレンジを形成しています。
これからのユロポンを予想してみる
ここで、「この値動きの幅がどこまで続くのか」という疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。
おそらく、もっとも心配されれているのは、チャートの下に価格が抜けることでしょう。
つまり、ユーロが安くなり、ポンドが高くなるという可能性です。
しかし、私はユーロ(ユーロを法定通貨とするユーロ圏)、英ポンド(イギリス)が現在置かれている状況から、チャートを下抜けることは難しいと考えています。
主な理由は以下の3点です。
いずれもイギリスのEU離脱により、ユーロ高、英ポンド安に向かわせる材料になっています。
ユロポンの下値を支える要素①:通貨の需要の高低
これまでのイギリスは、「EUのなかのイギリス」という位置づけでした。
EU商圏へのアクセスを前提に、多くの企業がイギリス内に拠点を設けていました。
しかし、ブレグジットでイギリスとEUの関係が相対化されることにより、対EU、ひいては国際的なイギリスの重要性も低下するでしょう。
これにより、外貨準備高としてのポンドの需要も低下し、英ポンドにあてられていた準備高の一部はユーロに割り当てられるはずです。
需要が減る英ポンドの一方、北欧・東欧諸国への拡大が予定されているユーロは、長期的な需要の増加が見込まれます。
需要が増えるユーロは高く、需要が減るポンドは安値に向かいやすくなります。
通貨需要の流れ | |
英ポンド | ユーロ |
・国際的なプレゼンスの低下による需要減 | ・英ポンドの外貨準備高の再割当てで需要増 ・将来的なユーロ圏拡大で需要も拡大 |
ユロポンの下値を支える要素②:資本の流れの変化
EU離脱による関税や手続きコスト上昇の懸念などから、様々な企業がイギリスの拠点を他のEU圏内に移しています。
拠点の移動は、同時に資本の移動も伴い、イギリスからの資本の流出はポンド安に、EU圏内への資本流入はユーロ高に繋がります。
たとえば、金融サービス業だけでも、ブレグジットにより国外に流出する資本は1.3兆ポンドにのぼるとされています。
この流出額(1ポンド=150円として195兆円)は、2019年のイギリスのGDPの58%に上ります。
また、今後、アメリカやアジアの企業がヨーロッパの拠点を検討する際にも、イギリスの優先順位は下がる一方、EU圏内の選択は増えるはずです。
資本の流れ | |
イギリス(英ポンド) | ユーロ圏(ユーロ) |
・国際企業のイギリス撤退、縮小による資本の流出 |
・イギリスから流出した資本の受け皿に ・欧州進出企業の受け入れ機会増加 |
ユロポンの下値を支える要素③:経常収支から来る通貨安圧力の違い
イギリスで1980年代後半から続く経常赤字も、ポンド安に向かわせる要素です。
直近の2015年~2019年の平均では、イギリスの経常赤字の対GDPの割合は、先進国のなかでも1番大きい▲4.2%となっています。
IMFの予想では、2020年から2026年までの平均で見ても、イギリスの経常赤字は先進国中トップの座を脱しきれていません。
これまで国外への投資で経常赤字を補っていたイギリス国内の金融サービスの縮小傾向も逆風となっているはずです。
一方、もともと経常収支が堅調なユーロ圏は、近年特にドイツを中心とした巨額の経常黒字が続いており、2026年までの見通しでもしっかり黒字を維持しています。
経常収支の違い | |
イギリス(英ポンド) | ユーロ圏(ユーロ) |
・1980年代から続く慢性的な経常赤字 |
・1999年のユーロ導入以降、世界的な景気後退時期を除き経常黒字を維持 ・近年特に黒字額が増えており、2026年まで堅調な黒字が続く見込み |
ユロポン(ユーロ/英ポンド)おすすめの売買方法
以上を踏まえ、次はユロポンの売買で利益を上げる方法です。
先にお伝えしているように、ユロポンはリピート系自動売買で特におすすめの通貨ペアです。
なぜなら、これまで見てきたユロポンの特徴は、リピート系自動売買で高収益を上げる通貨ペアの条件そのままだからです。
手間も少なく、少ない資金で、寝ているあいだも自動で多くの利益を積み上げてくれるリピート系自動売買の醍醐味が一番感じられる通貨ペアだと思います。
「リピート系自動売買がはじめて」という方も、考え方や設定方法を、あとでご紹介する記事で詳しく書いていますので、これをきっかけに運用を検討してみてください。
私のおすすめは、「マネーパートナーズ」の自動売買です。
リピート系自動売買では、先日、マネースクウェアのトラリピがユロポンを新規導入して2021年10月までの限定でスワップポイントのキャンペーンを行っていますが、キャンペーン終了後は「マネーパートナーズ」が有利になるはずです。(トラリピは基本的にクロス円以外のスワップポイントは弱いため)
参考まで、下記は両社のユロポンのスワップポイントの比較です。
トラリピ(2021年10月末までの限定) | マネーパートナーズ | |
買いスワップ(円) | -20 | -25 |
売りスワップ(円) | +20 | +9 |
※ 2021年5月22日時点のレートで計算。スワップポイントは1万通貨あたり。
現状でもそんなに差はないですね。
あとで詳しく書くように、株・ETFとの組み合わせで資産形成を有利に行える「マネーパートナーズ」のメリットを考えれば、問題にならないレベルです。
ユロポンが自動売買にうってつけな理由
リピート系自動売買における通貨ペアの収益性の高さは、以下の2つで測ることができます。
ユロポンの特徴と全く同じです。
自動売買の利益の源泉は、注文と決済の価格差です。
これは値動きの大きさに直結します。
値動きが大きいほど大きな価格差を得ることが可能です。
また、値動きの範囲が狭く限定されているほど、自動売買で値動きをカバーするために必要な資金が少なくなります。
より少ない資金で、より大きな利益を上げられるほうが収益性は高くなるということですね。
実際、私のおすすめのユロポン設定で2019年1月から2021年5月までのシミュレーションを行うと、年間38%以上の利益となりました。
これだけの利益が放置していても生まれるのですから、ユロポン✕リピート系自動売買の組み合わせがいかに優れているかおわかりいただけたかと思います。
具体的なユロポンのリピート系自動売買の設定方法
以下はその年間38%以上の利益を上げる自動売買の設定です。
これらはいずれも、リピート系自動売買の資金効率が最も良くなるように、ユロポンの過去の値動きから導き出したものです。
ユロポン✕自動売買の設定①:0.83~0.94を注文範囲とする理由
この理由は比較的単純です。
値動きが見込まれるレンジを注文範囲としているだけです。
具体的には、イギリスがブレグジットを決定した2016年7月から現在までの値動きのレンジを注文の範囲としています。
ユロポン✕自動売買の設定②:0.88と0.89の間で注文の売り買いを分ける理由
リピート系自動売買で資金効率を上げるために、設定の範囲を限定することに加え、重要なことがもうひとつあります。
それは、ターゲットとする価格の範囲内で、「売り」と「買い」の注文設定を使い分けることです。
ターゲットとしたレンジ内の設定を売りと買いで2分することで、下図のように最安値/最高値までの距離を短くすることができます。
これにより、最大の値動きになったときに備えて用意しておく資金が少なくて済み、結果、運用の資金効率を上げられます。
ここでは注文範囲のちょうど真ん中に来る「0.88」と「0.89」のあいだに、売り買いを分けるポイントを置いています。
注文範囲の真ん中で売り買いを分ける方法は、リピート系自動売買では「ハーフ&ハーフ」と呼ばれています。
ユロポン✕自動売買の設定③:0.98まで上昇する想定で必要資金を用意する理由
どんなときでも安全に運用を続けるため、リピート系自動売買では、「最悪の事態」を想定して必要資金を用意しておきます。
具体的には「最悪の事態」=ショック相場で、リーマン・ショックがベンチマークです。
ショック相場ではユロポンは、ユーロ高・ポンド安に動きます。
リーマン・ショックでは0.98まで上昇しました。
この0.98の上昇まで耐えられる資金を用意しておくことで、寝ているあいだも安心してリピート系自動売買の運用を放置できるのです。
ユロポン✕自動売買の設定④:利幅を0.006(60pips)とする理由
リピート系自動売買の利幅の設定には以下の法則があります。
加えて、売買時には各社ごと、通貨ごとに決められたスプレッド(通貨を「売るとき」と「買うとき」に設定されている価格の差)があり、これが見えない手数料として投資結果にマイナスの影響を与えます。
そのため、高頻度で小さな利益を積み上げる方法よりも、決済回数は減らして決済あたりの利益を大きくする方法が取られます。
一般に、決済頻度と決済利益のバランスが最適となる利幅は、各通貨の1日の値動きの最大値を平均化したものとされています。
私は2016年7月から現在までのユーロ/英ポンドの1日の値動きの最大値のデータから、平均ではなく、中央値を取り、0.006(60pips)を利幅としました。
ユロポンの自動売買なら「マネーパートナーズ」が一押し
以上が、年間38%以上の利益を上げる自動売買の設定ですが、この設定を行う際におすすめの会社は「マネーパートナーズ」です。
マネーパートナーズをおすすめする理由は、なんといってもリピート系自動売買の利益と、株やETFの利益を両取りして資産運用の効率を上げられる点です。
もしあなたがすでに株やETFをお持ちであれば、同じ仕組みを使って、資金を追加で用意することなく、そのままユロポンの運用をはじめることさえできてしまいます。
以下の記事で、「マネーパートナーズ」の口座開設方法から注文方法、必要資金の調整方法まで網羅的に書いています。
自動売買と株やETFを組み合わせた「マネーパートナーズ」ならではの資産形成のスピードアップ方法についても書いていますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:次は実際にユロポン(ユーロ/英ポンド)で取引してみよう
以上で、ユロポンの紹介と、ぴったりの売買方法について書きました。
ずいぶん親しみがわいたのではないでしょうか?
もし、これをきっかけにユロポンの売買をはじめてみようと思った方は、ぜひリピート系自動売買での運用も検討してみてください。
すでにご覧になったとおり、ユロポンは特に自動売買と相性のいい通貨ペアです。
放っておいても24時間利益を上げてくれる自動売買の手軽さに、もう裁量取引に戻れなくなってしまうこと請け合いです(笑)。
それでは良い資産運用ライフを!